NVIDIAの最新GPU、GeForce RTX 50シリーズが発売を目前に控えていますが、その供給と価格に関して懸念が広がっています。特に高価格帯のモデルでは、MSRP(希望小売価格)での購入が難しい状況が予想されており、AIB(Add-in-Board)パートナーの利益率が低いことがその一因とされています。
供給不足と価格高騰の背景
Chiphellのスレッドによると、NVIDIAのRTX 50シリーズ、特にGeForce RTX 5080の供給量が非常に限られており、AIBパートナーの利益率も低いため、カスタムモデルの価格がMSRPを大幅に上回ることが予想されています。さらに、NVIDIAのFounders Edition(直販モデル)はほぼ100%在庫切れ状態で、需要に応えるだけの生産量がないとされています。
この状況は、RTX 5090Dにも同様に当てはまるとされており、GDDR7メモリの採用によりBoM(部品原価)が大幅に上昇したことが、低供給と高価格の原因とされています。これにより、一部地域ではRTX 5090やRTX 5080の価格が2倍に跳ね上がっているとの報告もあります。
AIBパートナーの苦境
AIBパートナーは、NVIDIAから提供されるGPUチップを基に、独自の冷却システムやデザインを施したカスタムモデルを製造・販売しています。しかし、今回のRTX 50シリーズでは、NVIDIAがAIBパートナーに提供する利益率が非常に低く、パートナー各社は自社の利益を確保するためにカスタムモデルの価格を引き上げざるを得ない状況です。
このため、消費者がMSRPでGPUを購入できる可能性は低く、実際の販売価格はMSRPを大幅に上回ることが予想されます。NVIDIAが性能面で大きな進化を遂げたRTX 50シリーズですが、一般消費者が手頃な価格で購入できないのであれば、その性能対価格比(perf/$)をアピールする意味が薄れてしまうかもしれません。
AMDのRX 9070シリーズが救世主に?
こうした状況の中、AMDのRX 9070シリーズが注目を集めています。AMDのGPUは発売時の在庫量が多く、価格対性能比も優れていると予想されています。
NVIDIAが公式発売後に供給量を改善できない場合、消費者はAMDのRDNA 4アーキテクチャを採用したGPUを選択する可能性が高まります。
ただし、AMDのGPUがNVIDIAのRTX 50シリーズと同等の性能を発揮するかどうかはまだ不明であり、今後の動向に注目が集まります。
まとめ
NVIDIAのRTX 50シリーズGPUは、その性能の高さから大きな期待が寄せられていますが、供給不足と価格高騰の問題が深刻化しています。AIBパートナーの利益率が低く、カスタムモデルの価格がMSRPを大幅に上回ることが予想されるため、一般消費者が手頃な価格で購入できるかどうかは不透明です。
一方で、AMDのRX 9070シリーズが供給面で優位に立つ可能性があり、消費者にとっては選択肢が広がるかもしれません。今後の市場動向に注目しつつ、自分に最適なGPUを選ぶことが重要です。