「ドナネマブ」とは?
アメリカの製薬大手イーライリリーが開発したアルツハイマー病の新薬「ドナネマブ」が、日本でも厚生労働省の専門家部会により製造販売が認められる見通しです。この薬は、アルツハイマー病の原因物質に直接働きかける薬としては国内で2例目となります。
アミロイドβへの働きかけ
アルツハイマー病患者の脳には、「アミロイドβ」と呼ばれる異常なたんぱく質が蓄積し、これが神経細胞を破壊すると考えられています。「ドナネマブ」は、人工的に作った抗体を「アミロイドβ」に結合させ、これを取り除くことで、症状の進行を抑える効果が期待されています。
承認までの道のり
イーライリリーは、昨年8月に厚生労働省に対して「ドナネマブ」の承認申請を行いました。その後、2024年8月1日に開かれた厚生労働省の専門家部会において、有効性が確認され、安全性にも重大な懸念がないと評価され、製造販売が認められることが了承されました。
投与対象者
「ドナネマブ」の投与対象は、アルツハイマー病の患者のうち、認知症を発症する前の「軽度認知障害」の人や、軽度の認知症の人となっています。これは、症状の進行を遅らせるために早期の段階での治療が効果的であることを示唆しています。
国内2例目のアルツハイマー病治療薬
「ドナネマブ」は、アルツハイマー病の原因物質に直接働きかけて取り除く薬としては、「レカネマブ」に続き国内で2例目となります。この新薬の承認により、アルツハイマー病の治療選択肢が広がり、多くの患者とその家族にとって希望の光となることでしょう。
まとめ
アルツハイマー病の治療において、原因物質であるアミロイドβに直接働きかける「ドナネマブ」の承認は、日本国内で大きな前進となります。早期の段階での治療が可能となることで、患者の症状進行を抑え、生活の質を向上させる可能性が高まります。今後も、このような革新的な治療薬の開発と承認が進むことを期待します。