S&P500企業の利益報告で見えた米経済の回復力
2024年8月末、株式市場は夏のラリーで盛り上がり、S&P 500指数は月初の低迷から大きく回復しました。この回復は、予想を上回る米国の経済データによるもので、特にインフレに対する懸念が薄れてきたことが影響しています。
最新の米国第2四半期GDP成長率は、消費支出の上方修正により3%に引き上げられました。この結果、経済成長率の低下を懸念する投資家の不安が和らぎ、株式市場は急速に損失を取り戻しました。
ITセクターが市場をリード: NvidiaやSalesforceの成功
8月最後の週に利益を報告したS&P500企業のうち、15社中11社が利益予想を上回り、8社が収益予想を上回りました。特にITセクターがこの成果を牽引し、Salesforce (CRM), Autodesk (ADSK), Nvidia (NVDA) などのソフトウェア企業が目立っています。
Nvidiaは2025年度第3四半期において、収益が325億ドル(約4兆7125億円)±2%を予想しており、アナリストの予測である317億1千万ドル(約4兆6049億円)を上回る見込みです。AI市場における圧倒的な需要がNvidiaを支えており、その結果、ウォール街の複数の企業が目標株価を引き上げました。
消費者株: Best BuyやLululemonのパフォーマンス
ITセクターだけでなく、Best Buy (BBY), Lululemon (LULU), Campbell Soup (CPB) などの消費者関連株も予想を上回る結果を出しました。特にBest Buyは、タブレットとコンピュータの国内販売カテゴリーで前年比6%の成長を記録しました。
Lululemonは1株当たり3.15ドル(約456.75円)の利益を計上し、前年の2.68ドル(約388.60円)から上昇しましたが、Q3の見通しではより慎重な消費者動向を反映しています。
まとめ: 米経済の現状と今後の見通し
8月末の株式市場の回復は、米経済の健全性を示す重要な指標となりました。特にITセクターの強さが際立ちましたが、一部の消費者関連企業の業績不振が、経済の不確実性を示唆しています。今後の動向には、さらなる注目が必要です。
今週は、Hormel Foods (HRL), Hewlett Packard (HPE), Dollar Tree (DLTR), Copart (CPRT), Broadcom (AVGO) などの企業が結果を発表予定です。これらの企業の報告は、米経済全体のさらなるインサイトを提供するでしょう。