AMDは2024年11月、最新のRyzen AI 300 APUのゲーミングベンチマーク結果を公開し、ライバルIntelのLunar Lake比で平均75%の性能向上を達成したと発表しました。特筆すべきは、一部のAAA級タイトルでは最大124%という驚異的な性能差を記録したことです。
詳細なベンチマーク結果
テスト対象となったのは、AMDのRyzen AI 9 HX 370とIntelのCore Ultra 7 258Vです。
FSR 3/XeSS有効時の主要タイトルでの性能差は以下の通りです:
- Ghost of Tsushima: +124.1%
- Baldur’s Gate 3: +109.3%
- Call of Duty: Black Ops 6: +106.2%
- Forza Horizon 5: +98.5%
- Borderlands 3: +80.0%
- Hogwarts Legacy: +79.6%
- Assassin’s Creed Mirage: +79.6%
- Cyberpunk 2077: +76%
- Doom Eternal: +75.7%
- Far Cry 6: +67.0%
- Tiny Tina’s Wonderland: +65.7%
- Shadow of The Tomb Raider: +61.0%
- Dying Light 2: +60.7%
- F1 24: +55.6%
- Spiderman Remastered: +44.4%
- Hitman 3: +43.1%
FSR 3とXeSSの技術比較
AMDのFSR 3技術は、フレーム生成機能を搭載しており、現在95タイトル以上で対応しています。一方、IntelのXeSS技術は約130タイトルをサポートしているものの、フレーム生成機能は未搭載です。
項目 | AMD | Intel |
---|---|---|
フレーム生成機能付きゲーム内技術 | AMD FSR 3 95作品以上で対応* | AMD FSR 3 |
ゲーム内技術 | AMD FSR 415作品以上で対応* | Intel XeSS 約130作品で対応 |
フレーム生成機能付きドライバー内技術 | AMD HYPR-RX (AFMF 2搭載) 数千作品で対応 | X |
ネイティブ解像度での性能比較
興味深いことに、FSRやXeSSなどの補助技術を使用しない場合、両社のチップはほぼ互角の性能を示しています。IntelのXe2 iGPUとAMDのRDNA 3.5 iGPUは、ゲームタイトルによって優位性が異なる結果となりました。
AMDのHYPR-RXは、数千のゲームタイトルでゲームプレイを向上させる準備が整っています。これは、Intel XeSSが利用できない場面でも力を発揮します。
HYPR-RXをワンクリックで有効にするだけで、AMD FSR、AMD Fluid Motion Frames 2(AFMF 2)、Radeon™ Anti-Lagなどの自動調整された機能により、平均してゲームパフォーマンスが2倍に向上します。これは、AMDだけで楽しめる特別な体験です。
オープン技術としてのFSRの優位性
AMDのFSR技術の特徴は、そのオープンな性質にあります。Intel製チップでもFSR技術を利用できるため、ユーザーにとって選択肢が広がります。現在、FSRは415タイトル以上でサポートされており、AFMF 2技術は数千のゲームで簡単に有効化できます。
まとめ
AMDのRyzen AI 300シリーズは、特にポータブルゲーミングPC市場において、強力な選択肢となることが期待されます。FSR 3技術による大幅な性能向上と、幅広いゲームタイトルへの対応は、モバイルゲーミング体験を新たな次元へと引き上げる可能性を秘めています。
今後のドライバーアップデートによる更なる性能向上も期待され、モバイルゲーミング市場における競争は一層激化することが予想されます。AMDの革新的な技術開発が、ゲーマーにとってより豊かなゲーミング体験をもたらすことは間違いないでしょう。