この記事でわかること
- ROG Xbox Ally ベースモデル(89,800円)は旧世代Zen 2プロセッサ搭載で、最新ゲームには非力
- デザインやディスプレイは高評価。ただし性能が追いつかない
- Legion GoやROG Ally Xと比べるとコスパで大きく劣る
- 向いているのは「レトロゲーム・インディー専用」に割り切れる人だけ
結論:見た目は◎、中身は△。快適さと古い性能のギャップが大きい
2025年10月16日に発売された「ROG Xbox Ally」シリーズ。
上位モデルの**ROG Ally X(139,800円)**に対して、ベースモデル(89,800円)は白い筐体が印象的。
…ですが、見た目の良さとは裏腹に中身はかなり古めです。
【評価】★★☆☆☆(2.0 / 5.0)
おすすめ度:レトロゲーマー向け。最新タイトル狙いならおすすめできません。
良いところ:手に馴染む設計とディスプレイは優秀
💡 1. 長時間プレイでも疲れにくいデザイン
グリップが改良され、厚みが少し増えたぶん持ちやすさがアップ。
実際、数時間のプレイでも手の疲れがかなり軽減されています。
💡 2. 120Hz対応の高品質7インチディスプレイ
フルHD解像度に加えてVRR(可変リフレッシュレート)やFreeSync Premium対応。
映像の滑らかさと発色は文句なしです。
💡 3. 拡張性と静音性もまずまず
USB-C×2ポート、microSDスロット、ステレオスピーカー、512GB SSDなど必要十分。
負荷時のファンノイズも比較的静かで、ゲームに集中できます。
問題点:性能が「2020年レベル」で止まっている
⚠️ 1. Ryzen Z2 Aの正体は“5年前のZen 2”
名前こそ新しい「Ryzen Z2」ですが、実態はSteam Deckと同世代のZen 2アーキテクチャ。
- CPU:4コア8スレッド(Zen 2)
- GPU:RDNA 2(8CU)
- TDP:15〜25W
つまり、2025年に登場したとは思えない旧世代チップなんです。
⚠️ 2. 競合と比べると明らかに割高
- Lenovo Legion Go(Ryzen Z1 Extreme):約10万円〜
- 旧ROG Ally(Z1 Extreme)中古:7万円台〜
- ROG Ally X(Z2 Extreme):139,800円
この中で、89,800円でZen 2採用は正直“分が悪い”です。
⚠️ 3. AAAタイトルは軒並み苦戦
Cyberpunk 2077やElden Ring、Starfieldなどではまともに動作しません。
グラフィック設定を落としてもフレームレートが安定せず、
「せっかくの携帯ゲーミングPCなのに遊べない」状態です。
向いているのはこんな人
- ファミコン・PS1などレトロゲーム専用にしたい人
- Hades、Celeste、Hollow Knightなど軽めのインディー作品がメイン
- ゲームよりもデザインや操作性を重視する人
上位モデル「ROG Ally X」との差は“世代3つ分”
| 項目 | ROG Ally ベース | ROG Ally X |
|---|---|---|
| プロセッサ | Ryzen Z2 A (Zen 2) | Ryzen AI Z2 Extreme (Zen 5) |
| GPU | RDNA 2, 8CU | RDNA 3.5, 16CU |
| メモリ | 16GB | 24GB |
| SSD | 512GB | 1TB |
| バッテリー | 40Wh | 80Wh(約2倍) |
| 実性能 | – | 約35〜40%高速化 |
+5万円で性能1.4倍&バッテリー2倍。
もし予算を伸ばせるなら、間違いなくAlly Xが“正解”です。
XboxフルスクリーンUIは優秀、でも性能が追いつかない
Xbox Game PassやSteam、Epic Games Storeを横断管理できるFull Screen Experienceは便利。
UIの完成度はかなり高いんですが、
肝心のCPU・GPUが追いつかず、体験全体が“重く”感じます。
最終評価:値下げ待ち。現状ではおすすめしにくい
海外レビューでも「too slow and too expensive(遅すぎて高すぎる)」と酷評。
日本でも同じ印象で、89,800円ではおすすめできません。
購入を検討するなら、以下のどちらかの条件を満たす場合だけです。
- 価格が59,800円以下に下がったとき
- レトロゲーム専用機として割り切る場合
代替案:この4機種が賢い選択
| 機種 | 特徴 |
|---|---|
| ✅ ROG Ally X (+5万円) | 性能1.4倍、バッテリー2倍で長期的に安心 |
| ✅ Lenovo Legion Go (約10万円) | 着脱式コントローラー+大画面 |
| ✅ 旧ROG Ally (Z1 Extreme中古) | 7万円台で入手可能、今でも十分強い |
| ✅ Steam Deck OLED (約9万円) | 最適化が優秀、コンソール的に遊べる |
まとめ:見た目は最高、でも中身が時代遅れ
ROG Allyベースモデルは、デザイン・操作性・ディスプレイの完成度は確かに高い。
でも、Zen 2世代のCPUを2025年にこの価格で出すのは厳しい。
結論としては──
💬「遅すぎて高すぎる」現状では“おすすめできない”。
ASUSが価格を見直すか、次世代モデルでアーキテクチャを刷新するまでは様子見が正解です。




