米国の半導体大手エヌビディアの株価が、AI(人工知能)投資ブームの追い風を受け、再び最高値を視野に入れています。来週に控えたエヌビディアの決算発表は、AI需要の強さを浮き彫りにし、株価を押し上げる可能性があると市場関係者は見ています。
AIインフラ構築はまだ始まったばかり、今後数年間の成長見通しは明るい
ボヤ・インベストメント・マネジメントのリード・ポートフォリオ・マネジャー、エリック・スウォーズ氏は、「AIインフラの構築は完了までにはほど遠く、今後数年間に期待できる成長見通しは非常に明るい」と指摘。短期的には値動きが荒くなる可能性はあるものの、中長期的にはAIハードウェア銘柄に対する懸念はないと述べています。
AIへの投資は企業の最優先事項、エヌビディアは恩恵を受ける
企業はAIインフラとサービスの構築に数百億ドルを投じており、その恩恵を受ける企業、特にエヌビディアは成長見通しが確実視されています。マイクロソフトやアマゾン、アルファベット、メタなどのハイテク大手は、AI技術への投資が不足するリスクを冒すくらいなら、むしろ過剰に支出すると表明しており、たとえ経済情勢が弱くなったとしても、AIへの支出は持続すると見られています。
AIインフラ構築は莫大かつ長期にわたる投資、市場に十分反映されていない可能性も
ニーダムによると、生成AIをサポートするために必要なデータセンターインフラへの投資は6兆ドル(約870兆円)に達する可能性があります。また、UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの米州担当最高投資責任者、ソリタ・マルチェリ氏は、2025年には大手ハイテク企業の設備投資が最大25%増加し、コンセンサス予想の10~15%増を大きく上回ると予測しています。
まとめ:エヌビディアの決算が懸念払拭のカギ、AI支出の持続性に注目
エヌビディアの決算は「懸念を払拭し、AIサプライチェーン全体の株価回復を促すだろう」と、モルガン・スタンレーのアナリストは予想しています。一方で、AI支出がハードウェア関連銘柄を押し上げ続けるのに十分だとまだ確信できない向きもあり、AIの投資収益率(ROI)が疑問視され始めていることには注意が必要です。来週のエヌビディアの決算が、AI需要の強さとAI投資の持続性を示す重要な指標となりそうです。