NVIDIAの最新GPUアーキテクチャーであるBlackwellの生産ペースをめぐる憶測が、技術ニュースの世界を席巻しています。NVIDIAは先日の決算説明会で、フォトマスクの変更によってアーキテクチャの小さな設計上の欠陥が修正されたことを確認し、多くの懸念を払拭しました。しかし、同社の今後の生産増強の真の規模は、Morgan Stanley（モルガン・スタンレー）が2024年Q4から2025年Q1にかけてBlackwellの生産量が3倍に跳ね上がると予想したことで、ようやく明らかになりつつあります。
モルガン・スタンレーがNVIDIAに関する重要なノートを発表
モルガン・スタンレーは9月にNVIDIAに関する重要なノートを発表しました。そのノートでは、同社が12月期四半期にBlackwell GPUを45万ユニット出荷し、約100億ドル（約1兆4500億円）の収益を上げる予定であることが指摘されていました。
当時、モルガン・スタンレーは、NVIDIAがGB200サーバーラックにおけるいくつかの「技術的課題」の解決に取り組んでいることを認めつつ、そうした問題は「新製品発売の通常のデバッグプロセスの一部」であるとの見方を示していました。
NVIDIAのBlackwell GPU生産量が2025年Q1に3倍に
今回、モルガン・スタンレーは、NVIDIAに関する新たな投資ノートを発表しました。同行は、独自のチャネルチェックを活用し、2024年Q4のBlackwell関連の収益が50億ドル（約7250億円）から100億ドル（約1兆4500億円）になるという以前の予測を確認しています。
しかし、今回は一歩進んで、2025年の第1四半期（1月〜3月）に関する見解を詳しく述べています。具体的には、NVIDIAが2025年Q1にBlackwell GPUを70万〜80万ユニット生産すると考えており、これは四半期ベースで3倍の増加に相当します。
同行はさらに次のように述べています。
一方、Hopper（H200とH20を含む）の生産量は、2024年Q4に約150万ユニットになると予想されており、2025年Q1には徐々に100万ユニットに減少すると予想されます。
重要なのは、B200チップの価格がH200チップに比べて60〜70％のプレミアムがつけられていることから、モルガン・スタンレーは2025年Q1のNVIDIAのBlackwell関連の収益がHopperアーキテクチャ関連の収益を上回ると予想していることです。
まとめ
NVIDIAの次世代GPUアーキテクチャーであるBlackwellの生産量が、2024年Q4から2025年Q1にかけて大幅に増加すると予測されています。モルガン・スタンレーによると、2025年Q1のBlackwell GPU生産量は70万〜80万ユニットに達し、2024年Q4から3倍に増加する見込みです。一方、Hopper GPUの生産量は徐々に減少していくと予想されています。Blackwell GPUの価格がHopper GPUよりも高いため、2025年Q1にはBlackwell関連の収益がHopper関連の収益を上回ると考えられています。NVIDIAの次世代GPUの生産動向は、業界全体に大きな影響を与えるでしょう。
モルガン・スタンレー投資ノート
NVIDIAのCEO、ジェンセン・フアン氏はCNBCのインタビューで、同社の次世代人工知能チップ「ブラックウェル」への需要が「非常に高い」と述べました。フアン氏は、「誰もが一番多く欲しがり、誰もが一番乗りをしたい」とコメントしています。一方、台湾の半導体サプライチェーンは増加するチップ需要に対応しており、私たちのGPUテストサプライチェーンに対する調査によれば、ブラックウェルチップの生産量は4Q24で約25万〜30万個に達し、NVIDIAにとって4Q24に50億〜100億ドルの収益をもたらすと見られています。これはジョー・ムーア氏の強気な予測に依然として沿ったものです。
さらに1Q25においては、ブラックウェルチップの生産量が75万〜80万個に達し、4Q24の約3倍に増加する見込みです。一方で、ホッパーの生産量（H200およびH20を含む）は、4Q24で150万個程度、1Q25では徐々に100万個に減少すると予想されています。B200チップの価格はH200よりも約60%〜70%高いため、1Q25ではブラックウェルの収益がホッパーを上回ると予想されます。
ブラックウェルの生産収益が1Q25でホッパーを上回る可能性 – モルガン・スタンレー
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