2024年12月5日、東京発 – IT専門調査会社 IDC Japanは、2024年第3四半期(7~9月)の国内携帯電話およびスマートフォン端末の出荷台数を発表しました。スマートフォン出荷台数は前年同期比14.1%増の789万台となり、過去最高を更新しました。
FCNT復活でレノボが躍進、Androidは主要ベンダーの多くが好調
市場の復活を印象付けたのがFCNTの復活です。レノボ(モトローラを含む)は、FCNTの復活により前年同期比533.4%増と驚異的な伸びを記録し、トップ5に躍り出ました。FCNTは今後も高い出荷水準を維持すると予想され、レノボの躍進は続きそうです。
Android系端末は全体で対前年比21.5%増と好調で、主要ベンダーの多くが売上を伸ばしました。特にシャープはAQUOS wishシリーズの好調により前年同期比11.9%増、サムスンもGalaxy Sシリーズなどの高価格帯モデルが人気を集め、前年同期比21.8%増となりました。
iPhoneは高齢者取り込みに苦戦か
一方、アップルは前年同期比7.6%増と、市場平均を大きく下回る結果となりました。iPhoneは若年層からの支持は厚いものの、中高年世代への普及は進んでいないようです。特に、NTTドコモの3Gサービス停止に伴うフィーチャーフォンユーザーのスマートフォンへの乗り換え需要を取り込めていない点が課題として挙げられます。
競争激化によるAndroid平均販売価格の下落懸念も
IDC Japanは、「2023年から2024年前半まで続いた在庫調整は一段落したようだ」と分析しています。一方で、「競争激化により、最近上昇傾向にあったAndroid系の平均販売価格が下がる可能性がある」とも指摘しており、特に国内ベンダーの収益悪化が懸念されます。
まとめ
2024年第3四半期の国内スマートフォン市場は、FCNTの復活やAndroidの好調により過去最高の出荷台数を記録しました。しかし、競争激化によるAndroid平均販売価格の下落など、今後の市場動向には注視が必要です。