2025年1月8日、世界最大級のテクノロジー展示会「CES2025」にて、Lenovoは新たなゲーミングPCライン「Legion」シリーズの2025年モデルを発表しました。今回の発表では、SteamOSを搭載したポータブルゲーミングデバイスや、最新のIntelおよびAMDプロセッサー、NVIDIAの次世代GPUを搭載したハイエンドモデルなど、多彩な製品が一挙に公開され、ゲーマーたちの期待を大いに高めています。本記事では、それぞれの新製品の特徴やスペック、価格情報などを詳しくご紹介します。
SteamOS搭載のポータブルゲーミングPC「Legion Go S」
Lenovoは、待望のポータブルゲーミングPC「Legion Go S」を発表しました。本製品は、Windows版とSteamOS版の2種類が用意されており、それぞれ異なるユーザーのニーズに対応しています。
Legion Go Sは8インチのディスプレイを搭載し、サイズは約299×128×23mmとコンパクト。Windows版は「Glacier White」のボディカラーで、スタイリッシュなデザインが特徴です。一方、SteamOS版は「Nebula Violet」のカラーバリエーションとなっており、個性的な外観が目を引きます。
搭載されるCPUは、AMDのRyzen Z1 Extremeプロセッサー。最大32GBのLPDDR5X 6400メモリを内蔵可能で、高いパフォーマンスを実現しています。ディスプレイは8インチのWQXGA(1920×1200ドット)、16:10のアスペクト比、リフレッシュレートは120HzのPureSightタッチLCDを採用。滑らかな映像表示が可能で、ゲーム体験を向上させます。
55.5Whの大容量バッテリーを搭載しながら、重量は730gと軽量化を実現。持ち運びにも適しており、外出先でも快適にゲームを楽しむことができます。インターフェースはUSB 4ポートが2つ、オーディオコンボジャック、microSDカードリーダーを備えており、拡張性も十分です。
特筆すべきは、SteamOS版がValveとの世界初のコラボレーションによって実現された点です。クラウドセーブ機能により、PCとポータブルデバイス間でシームレスにゲームを楽しむことが可能です。また、Remote Play機能を使ってPCからデバイスへゲームをストリーミングすることや、Steamストアやライブラリへのフルアクセスも可能となっています。
米国での発売日と価格
- 製品名: Legion Go S(Windows版)、Legion Go S(SteamOS版)
- 発売日: Windows版は2025年1月、SteamOS版は2025年5月
- 価格: Windows版 約730ドル、SteamOS版 500ドル
AMD Ryzen Z2搭載の高性能「Legion Go Gen2」
Lenovoはさらに、ポータブルゲーミングPCの新世代モデル「Legion Go Gen2」を発表しました。本製品は、8.8インチの大型ディスプレイと、最新のAMD Ryzen Z2プロセッサーを搭載しており、パフォーマンスと操作性を追求したモデルとなっています。
最大32GBのLPDDR5X 7500 RAMを搭載可能で、ストレージは最大1TBまで内蔵できます。ディスプレイは可変リフレッシュレート(VRR)に対応した8.8インチWUXGA(1920×1200ドット)のOLEDディスプレイを採用。16:10のアスペクト比、リフレッシュレートは144Hz、輝度は500ニトのPureSightタッチディスプレイで、鮮やかで滑らかな映像を楽しむことができます。
74Whの大容量バッテリーを内蔵し、タブレットのみの重量は890g、コントローラーを付けた状態でも1079gと、持ち運びやすさを兼ね備えています。高度なゲーミング体験を求めるユーザーにとって、魅力的な選択肢となるでしょう。
米国での発売日と価格
- 製品名: Legion Go Gen2
- 発売日: 2025年1月発売予定
- 価格: 未発表(情報が入り次第更新)
新設計のハイパフォーマンスノートPC「Legion Pro 5i/7i Gen10」
ゲーミングノートPCの分野では、Lenovoは新設計の16インチハイエンドモデル「Legion Pro 5i/7i Gen10」と「Legion Pro 5 Gen10」を発表しました。Intel CPUを搭載する5i/7iモデルでは、最高で「Core Ultra 9 275HX」を、AMD CPUを搭載する5モデルでは「Ryzen 9 9955HX」を搭載可能です。GPUは最高で「NVIDIA GeForce RTX 5090 Laptop GPU」を採用し、圧倒的なグラフィック性能を実現しています。
ディスプレイには、16インチのPureSight OLEDを採用し、WQXGA(2560×1600ドット)、16:10のアスペクト比、リフレッシュレートは240Hz、輝度は500ニトと、ゲーミングに最適なスペックを備えています。
新たに設計された**「Coldfront Hyper排熱システム」**により、大型の排気口を持ち、プロセッサーを他のコンポーネントから切り離すことで効率的な放熱を実現。ターボチャージャー付きファンと特大の3D銅ヒートパイプの組み合わせで、従来製品よりも排気音を抑えつつ、高い冷却性能を確保しています。
また、**Lenovo AI Engine+**により、CPUとGPUのワット数を動的に調整する「Performance Mode」と「Balance Mode」のシナリオ検出機能を搭載。これにより、パフォーマンスを最大化し、さらにスムーズなフレームレートを実現します。
インターフェースも充実しており、USB Type-C×2、USB Type-A×3、HDMI 2.1、有線LANポートを備えています。Pro 7i Gen10の**「Legion TrueStrikeキーボード」**には、キーごとにカスタマイズ可能なRGBライティングを搭載しており、WASDの4キーのキーキャップを入れ替えることも可能です。
米国での発売日と価格
- 製品名: Legion Pro 7i Gen10、Legion Pro 5i Gen10、Legion Pro 5 Gen10
- 発売日:
- Pro 7i: 2025年3月
- Pro 5i: 2025年5月
- Pro 5: 2025年6月
- 価格:
- Pro 7i: 約2400ドル
- Pro 5i: 約1500ドル
- Pro 5: 約1400ドル
薄型軽量のハイエンドゲーミングノート「Legion 7i Gen10」
薄型軽量モデルとして、「Legion 7i Gen10」も発表されました。次世代のIntel Core Ultraプロセッサー「Core Ultra 9 275HX」と、NVIDIAの新「GeForce RTX 5070」を搭載し、16インチのオールメタルボディで、7%の軽量化と10%の薄型化を実現しています。
ディスプレイは16インチのWQXGA(2560×1600ドット)、16:10のPureSight OLEDを採用。輝度は500ニト、コントラスト比は1,000,000:1、リフレッシュレートは240Hzと、高精細かつ滑らかな映像表示が可能です。
**「Coldfront Hyperテクノロジー」**により、最大145WのTDPに対応し、高い冷却性能と最大7dBの静音性を維持。長時間の使用にも適した84Whのバッテリーを内蔵しており、外出先でも安心してゲームを楽しむことができます。
米国での発売日と価格
- 製品名: Legion 7i Gen10
- 発売日: 2025年6月
- 価格: 約1600ドル
最新CPU&GPUをお手頃価格で「Legion 5i/5 Gen10」
コストパフォーマンスに優れたモデルとして、「Legion 5i Gen10」と「Legion 5 Gen10」が発表されました。5iはIntelの「Core Ultra 9 275HX」を、5はAMDの「Ryzen AI 7 350」を搭載し、GPUはともに「NVIDIA GeForce RTX 5070」を採用しています。
ディスプレイは15.1インチのWQXGA(2560×1600ドット)、165Hz、400ニトの有機EL「PureSightディスプレイ」を採用し、鮮明な映像でゲームを楽しむことができます。
米国での発売日と価格
- 製品名: Legion 5i Gen10、Legion 5 Gen10
- 発売日: 2025年5月
- 価格:
- 5i: 約1300ドル
- 5: 約1150ドル
Snapdragon 8搭載のAndroidゲーミングタブレット「Legion Tab Gen3」
LenovoはAndroidゲーミングタブレット「Legion Tab Gen3」も発表しました。フルメタル設計で厚さ7.79mm、重量350gと、軽量かつスリムなボディが特徴です。
プロセッサーにはSnapdragon 8 Gen 3を搭載し、OSは最新のAndroid 14を採用。8.8インチの2.5K解像度、165HzのPureSightタッチディスプレイで、スムーズなゲーム体験が可能です。メモリは12GBのLPDDR5X、ストレージは256GBのUFS 4.0を内蔵しています。
サイズは約209×129×8mm、重さは350gと持ち運びにも便利で、モバイルゲーミングを楽しみたいユーザーに最適なデバイスとなっています。
米国での発売日と価格
- 製品名: Legion Tab Gen3
- 発売日: 2025年1月
- 価格: 約500ドル
タワー型ゲーミングPC「Legion Tower 7i/5i/5 Gen10」の刷新
デスクトップユーザー向けに、タワー型ゲーミングPCも刷新されました。
- Legion Tower 7i Gen10: Intelの「Core Ultra 9 285K」とNVIDIAの「GeForce RTX 4080」を搭載し、34Lの大容量ケースで高い拡張性を備えています。
- Legion Tower 5i Gen10とLegion Tower 5 Gen10: それぞれIntelの「Core Ultra 9 275HX」とAMDの「Ryzen 9 7950X3D」を搭載し、GPUは「RTX 4060Ti」を採用。30Lサイズのケースで、パフォーマンスと省スペースを両立しています。
米国での発売日と価格
- 製品名:
- Legion Tower 7i Gen10
- Legion Tower 5i Gen10
- Legion Tower 5 Gen10
- 発売日:
- Tower 7i: 2025年4月
- Tower 5i: 2025年5月
- 価格:
- Tower 7i: 約3300ドル
- Tower 5i: 約1200ドル
世界最湾曲のOLEDモニター「Legion Pro 34WD-10」
Lenovoはモニター製品にも新風をもたらしました。「Legion Pro 34WD-10」は、曲率半径800Rの世界最湾曲PureSight有機ELゲーミングモニターです。34インチWQHD(3440×1440ドット)の21:9ディスプレイで、1300ニトの高輝度、150万:1の高コントラスト比、240Hzのリフレッシュレートを実現。応答速度は0.03msと、プロゲーマーにも満足いただけるスペックです。
また、USB Type-C Ultra-Linkによる1ケーブルソリューションを搭載し、最大140Wの電力供給が可能。配線をシンプルにしつつ、高速充電にも対応しています。
米国での発売日と価格
- 製品名: Legion Pro 34WD-10
- 発売日: 2025年3月
- 価格: 約1000ドル
お手頃価格の34インチモニター「Legion R34w-30」
手頃な価格で大画面を楽しみたいユーザーには、「Legion R34w-30」がぴったりです。曲率半径1500Rの34インチディスプレイで、WQHD(3440×1440ドット)の21:9アスペクト比を採用。輝度は350ニト、コントラスト比は3000:1、リフレッシュレートは180Hzと、コストパフォーマンスに優れたモデルとなっています。
応答速度は0.5msで、99%のsRGB、90%のDCI-P3をカバーしており、ゲームだけでなくクリエイティブな作業にも適しています。
米国での発売日と価格
- 製品名: Legion R34w-30
- 発売日: 2025年1月
- 価格: 約400ドル
まとめ
今回のCES2025でのLenovoの発表は、ゲーミングPC市場に新たな風をもたらすものとなりました。ポータブルゲーミングデバイスからハイエンドのゲーミングノートPC、タワー型デスクトップ、さらにゲーミングモニターやAndroidタブレットに至るまで、多彩な製品ラインナップでユーザーのニーズに応えています。
特に、世界初のValveとのコラボレーションによるSteamOS搭載の「Legion Go S」は、ポータブルゲーミングの可能性を広げる革新的なデバイスと言えるでしょう。また、最新のCPU・GPUを搭載したハイエンドモデルや、高いコストパフォーマンスを実現したエントリーモデルなど、予算や用途に合わせた選択肢が豊富です。
これらの新製品は、2025年1月から順次発売予定となっており、今後のゲーミング体験を大いに向上させることでしょう。最新情報や詳細については、Lenovoの公式サイトをぜひチェックしてみてください。
※注意事項: 本記事で紹介した製品のスペックや価格、発売日等は発表時点の情報であり、変更となる可能性があります。購入の際は公式サイトや販売店で最新情報を確認してください。