GPDが携帯型高性能PC「GPD Win 5」の正式価格を発表しました。
- 最低価格:8,699元(約18万円)
- 上位モデル:14,999元(約30万円)
Steam Deck($399)やNintendo Switch(約3万円)と比べると約2〜3倍。価格だけを見れば衝撃ですが、その背景にはAMD最新ハイエンドAPU「Strix Halo(Ryzen AI Max)」世界初搭載という技術的な革新があります。単なる携帯ゲーム機ではなく、外出先でも本格PC作業が可能な携帯型高性能PCとして設計されています。
価格とスペックを整理:あなたはどの”モンスター”を選ぶ?

モデル | CPU | RAM | ストレージ | 中国価格 | 予約特価 | 日本円換算* |
---|---|---|---|---|---|---|
ベース | Ryzen AI Max 385 | 32GB | 1TB | 8,699元 | $1,220 | 約18万円 |
ミドル | Ryzen AI Max+ 395 | 32GB | 2TB | 9,999元 | $1,400 | 約21万円 |
フラッグシップ | Ryzen AI Max+ 395 | 64GB | 4TB | 14,999元 | $2,100 | 約31万円 |
*為替1ドル=150円(執筆時点)
ディスプレイ仕様: 7インチ FHD 120Hz、AMD FreeSync Premium
電源: 外付けバッテリー(80Wh)+専用アダプター(180W)
高価格の原因「Strix Halo」とは何か
GPD Win 5の価格を理解する上で欠かせないのが、搭載APU「Strix Halo」です。
- Ryzen AI Max+ 395: 最大16コア/32スレッド、Zen 5アーキテクチャ
- GPU: Radeon 8060S内蔵、AI推論用NPU搭載
- RAMサポート: 最大128GB
- パフォーマンス: モバイルCPU最高クラス、Time Spy約11,000点前後、Geekbenchマルチコア19,000〜21,000点
このスペックは、携帯型PCでここまで高性能なPCは市場初。Mini PC同等性能を、手のひらサイズで実現したことが価格の原因です。
市場分析:携帯型PCの二極化
筆者の見立てでは、携帯型ゲーミングPC市場は二極化が加速します。
- カジュアル層: Steam Deck / Switch
→ 手軽さ・低価格重視 - ハイエンドゲーマー層: GPD Win 5 / 高性能AYANEO
→ 高価格・高性能、PC作業も外出先で完結
日本市場では20万〜25万円からのスタートが予想され、個人輸入やプレオーダー割引を狙う技術志向層が中心になるでしょう。
GPD Win 5は誰のためのデバイスか?
- ゲームだけでは物足りないガジェット層
- 外出先で動画編集やAI処理を行いたいクリエイター
- 高性能ハンドヘルドPCを求めるエンスージアスト
筆者の観点では、GPD Win 5は性能重視の携帯型PCの新スタンダードを示す製品です。
Q&A:読者が気になる疑問に答える
Q1. なぜSteam Deckより高い?
A. ハイエンドAPU「Strix Halo」を搭載、PC作業も可能な性能を持つため。
Q2. 64GB以上のRAMは必要?
A. ゲームには過剰ですが、AIモデルや大規模作業向けプロ仕様です。
Q3. 予約特価はどのくらい?
A. 最低価格8,699元→$1,220、上位モデルもプレオーダー割引があります。
Q4. ROG Allyとは何が違う?
A. CPU性能と拡張性が根本的に異なる。ROG Allyはゲーム特化、GPD Win 5はPC作業にも対応。
Q5. 日本での発売はいつ?
A. 未定。公式プレオーダー後に代理店販売が数ヶ月遅れて開始される見込み。
まとめ:ゲーム機の枠を超えた携帯型PCの誕生
GPD Win 5は単なるゲーム機ではなく、外出先で本格PC作業が可能な携帯型高性能PCです。価格は衝撃的ですが、16コア/32スレッドAPU搭載という技術的価値を考えれば納得できる範囲。UMPC文化が根付く日本市場でも、ガジェット層の心を掴む製品となるでしょう。