ソニーとニンテンドーが共同開発した、幻のゲーム機のコントローラーがオークションに出品され、なんと35,000ドル(約508万円)という驚異的な金額で落札されたのです。このコントローラーは、かつてソニーとニンテンドーが密かに共同開発していた、幻のゲーム機「プレイステーション」のものとされています。
見た目はスーパーファミコンのコントローラーとほぼ同じですが、正面にはソニーとプレイステーションのロゴが刻まれており、その希少性と歴史的価値から、コレクターの間で大きな注目を集めました。
幻のプレイステーション誕生秘話
この幻のプレイステーションは、1991年6月のCESで初お披露目されました。当時、ソニーはニンテンドーにスーパーファミコンの部品を供給しており、両社の関係は良好でした。そこで、CD-ROMドライブを搭載したスーパーファミコンの開発が始まったのです。
しかし、CESでのお披露目からわずか1日後、ニンテンドーはソニーとの提携解消を発表します。両社の収益配分をめぐる意見の相違が原因でした。この突然の決裂により、開発中だったゲーム機は日の目を見ることなく、幻の存在となってしまったのです。
幻のゲーム機の残された痕跡
幻のプレイステーションの多くは破壊されたと言われていますが、一部は生き残ったようです。今年初め、実機の1台が360,000ドル(約5,220万円)で落札されました。今回のコントローラーも、おそらくその生き残った機器の一部だと考えられています。
このコントローラーは、カラフルなABXYボタンを備えたスーパーファミコン風のデザインですが、ニンテンドーのロゴの代わりにソニーとプレイステーションのロゴが刻まれている点が大きな特徴です。
ゲーム業界の歴史を変えた出来事
この幻のプレイステーションの開発中止は、ゲーム業界の歴史を大きく変えることとなりました。ソニーは独自にプレイステーションを開発し、1994年に発売。これが大ヒットし、ソニーはゲーム業界の主要プレイヤーとなりました。
一方、ニンテンドーは任天堂64を開発し、カートリッジ方式を採用。CD-ROMの採用は見送られ、結果としてプレイステーションに市場シェアを奪われることになりました。
まとめ
35,000ドル(約508万円)で落札されたこのコントローラーは、ゲーム業界の重要な転換点を象徴する貴重な遺物と言えるでしょう。ソニーとニンテンドーの共同開発が実を結んでいたら、ゲーム業界の風景は今とは全く違ったものになっていたかもしれません。
このような歴史的価値のある品が高額で取引されることは珍しくありませんが、一般のゲームファンにとっては手の届かない金額です。しかし、似たようなデザインを楽しみたい方には、似たデザインのコントローラーがAmazonに出品されています。歴史的な遺物ではありませんが、レトロな雰囲気を味わうには十分でしょう。
この幻のプレイステーションコントローラーの落札は、ゲーム業界の歴史に新たな1ページを加えることとなりました。今後も、このような貴重な遺物が発見され、ゲーム業界の歴史の解明に貢献することを期待したいと思います。