半導体業界の巨人NVIDIAが、2025年1月期第2四半期の決算を発表する。市場関係者の間では、この四半期が同社にとって3桁の収益成長率を記録する最後の機会になるのではないかとの見方が広がっている。LSEGのデータによると、アナリストはNVIDIAの今四半期の収益が前年同期比112.5%増の286億8000万ドル（約4兆1586億円）に達すると予想している。
しかし、この驚異的な成長率も峠を越えつつあるようだ。第3四半期の収益予想は前年同期比74.89%増の316億9000万ドル（約4兆5950億円）となっており、100%を下回る見通しとなっている。これは、AIブームによる特需が一段落し、成長率が正常化に向かう兆しともいえる。
AIブームがもたらした驚異の成長
NVIDIAの急成長は、AIブームと密接に関連している。Microsoft、Meta、Alphabet（Google親会社）といった大手テクノロジー企業が、AIインフラ整備に数十億ドル規模の投資を行っていることが、NVIDIAの収益を押し上げてきた。
2024年1月期第2四半期には、同社の収益が前年同期比101%増の135億ドル（約1兆9575億円）を記録。その後の第3四半期には更に加速し、206%増の181億ドル（約2兆6245億円）という驚異的な成長を遂げた。
成長鈍化の兆しと市場の懸念
しかし、この急成長にも陰りが見え始めている。最新のBlackwell AI GPUの発売遅延が噂されており、市場に不安を与えている。ただし、専門家の間では、この影響は最悪でも1四半期程度の収益先送りに留まるとの見方が強い。
NVIDIAのCEOであるJensen Huang氏は、「世界のデータセンターインフラの1兆ドル（約145兆円）規模の設備が、汎用コンピューティングからAIワークロード向けの高速コンピューティングへ移行する」と述べており、AIへの投資は今後も続くと予想している。
NVIDIA決算が市場に与える影響
NVIDIAの決算は、ウォールストリートでは最後の方に発表されるにもかかわらず、AI関連の注目度の高さから、投資家の動向に大きな影響を与えている。今回の決算で予想を上回る結果が出れば、AI関連ハードウェアへの需要が依然として強いというシグナルになるだろう。
まとめ
NVIDIAの2025年1月期第2四半期決算は、同社にとって重要な転換点となる可能性がある。3桁成長率の終焉が近づく中、市場は同社のAI関連事業の持続可能性に注目している。決算結果は、AI業界全体の健全性を示す指標としても重要だ。NVIDIAが予想を上回る結果を出せるか、それとも成長鈍化の兆しが見えるか、市場関係者の目は同社の決算発表に釘付けとなっている。
