自動車メーカーの「ヒョンデ」と自動運転技術のパイオニアである「ウェイモ」が、複数年にわたる戦略的パートナーシップの締結を発表しました。この提携により、ウェイモが開発した最先端の自動運転技術「ウェイモ・ドライバー」をヒョンデの電気自動車「IONIQ 5（アイオニック 5）」に搭載し、自動運転タクシーサービス「ウェイモ ワン」の展開を加速させることを目指しています。
ウェイモの自動運転技術の信頼性
ウェイモは2009年にGoogleのSelf-Driving Car Projectとしてスタートし、長年にわたり自動運転技術の開発に取り組んできました。これまでに米国の13以上の州で公道走行を行い、シミュレーションでは数百億マイル（数百億キロメートル）の自律走行を実現するなど、技術の蓄積と信頼性向上に努めてきました。ウェイモの「もっとも信頼されるドライバーになること」というミッションは、自動運転技術の実用化に向けた強い意志の表れといえるでしょう。
ヒョンデの電気自動車との融合
今回のパートナーシップでは、ウェイモの第6世代の完全自動運転技術「ウェイモ・ドライバー」をヒョンデのSUVタイプの電気自動車「IONIQ 5」に統合します。
「IONIQ 5」は、ジョージア州の新工場で製造された後、自動運転に対応するための改良が施されます。冗長ハードウェアや電動ドアなどを備えた専用車両となり、自動運転タクシー「ウェイモ ワン」として順次運用される予定です。
自動運転タクシーの普及に向けて
両社は「ウェイモ ワン」の規模拡大をサポートするため、ウェイモ技術搭載の「IONIQ 5」を複数年にわたって大量生産する計画を立てています。初回の路上テストは2025年後半までに開始し、その後の数年で自動運転タクシーとして利用可能になることを目標としています。事故の撲滅や移動困難者へのサポートなど、自動運転タクシーの普及により社会的な課題の解決が期待されます。
さらなる協力の可能性
ヒョンデは中長期戦略「ヒョンデ・ウェイ」において、スマートモビリティ・ソリューション・カンパニーへの転換を加速させる方針を示しています。ゼロエミッション車の開発だけでなく、ロボティクスやアドバンス・エア・モビリティなどの先進技術への投資を通じて、未来のモビリティサービスを導入するためのオープンイノベーションを追求していくとのことです。
ヒョンデとウェイモのパートナーシップは、両社の協力の第一歩に過ぎません。今後、さらなる協力の機会を積極的に模索していくことが示唆されており、自動運転車両のファウンドリー事業への展開なども視野に入れているようです。業界をリードする両社の提携は、自動車産業に大きなインパクトを与えるニュースであり、今後の動向が注目されます。
まとめ
ヒョンデとウェイモの戦略的パートナーシップは、自動運転タクシーの普及に向けた大きな一歩となります。ウェイモの高度な自動運転技術とヒョンデの電気自動車の融合により、革新的なモビリティサービス「ウェイモ ワン」の展開が加速することが期待されます。事故の撲滅や移動困難者へのサポートなど、自動運転タクシーの普及が社会的な課題の解決につながることを願っています。また、両社の協力関係がさらに発展し、自動車産業に新たな変革をもたらすことにも注目が集まります。ヒョンデとウェイモの取り組みが、自動運転の未来を切り開く鍵となるでしょう。
