ライカは、ディスプレイパネルを搭載しないミラーレスデジタルレンジファインダーカメラ「Leica M11-D」を発表しました。多機能なカメラを数多く製造してきたライカが、あえてディスプレイパネルを排除するという斬新なアプローチを取ったのは、写真撮影そのものに集中してもらうためという興味深い発想からです。
カメラ背面の画面パネルの代わりに、ISO設定用のダイヤルが配置されています。この独特な設計により、写真家は撮影に集中し、より創造的な作品づくりに専念できるようになることが期待されています。
1954年までさかのぼる高品質なライカMレンズとの互換性
Leica M11-Dは、1954年以降に製造されたほぼすべての高品質なライカMレンズと互換性があります。ライカレンズは独自の画像特性を持ち、他のレンズで撮影した写真とは一線を画す独特の表現を可能にします。ライカ写真の特徴である鮮やかな色彩と強いコントラストは、多くの写真愛好家を魅了してきました。
光学ビューファインダーとマニュアルフォーカス
撮影者は光学ファインダーを使用して構図を決め、レンズのフォーカスを手動で合わせる必要があります。ファインダーには-3.0Dから+3.0Dまでの視度調整用の交換可能なレンズを装着でき、眼鏡をかけている人でも眼鏡なしでカメラを使用できます。レンジファインダーは70cmから無限遠までの距離でフォーカシングが可能です。
高性能センサーと豊富な撮影設定
M11-Dは、9528 x 6328ピクセル(60.3MP)の解像度を持つ35mm BSI CMOSセンサーを搭載しています。このフルフレームセンサーの感度はISO 64からISO 50,000まで調整可能で、色温度は2,000Kから11,500Kの範囲で設定できます。
カメラには電子制御の機械式シャッターと電子シャッターが搭載されています。機械式シャッターは60分から1/4000秒まで、電子シャッターは60秒から1/16,000秒まで調整可能です。フラッシュ同調速度は最大1/180秒です。セルフタイマーは2秒または12秒に設定できます。露出は手動モードで完全に制御するか、絞り優先モードでカメラが自動的に設定します。
大容量ストレージと高速連写機能
Leica M11-Dは、最大2TBのSDカードに対応し、256GBの内部ストレージも備えています。写真は内部ストレージまたはSDカードに14ビットDNG RAWまたは8ビットJPGファイル形式で保存できます。連続撮影モードは2種類あり、低速モードで3fps、高速モードで4.5fpsの撮影が可能です。3GBのバッファにより、ストレージに書き込む前に最大15枚のDNG RAW画像または100枚以上のJPG画像を連続して撮影できます。
すべての写真にContent Credentialsという、使用したカメラ(および設定した場合は撮影者)を特定する、削除が困難なデジタルタグを付けることができます。ただし、機密性の高い分野(防衛、セキュリティなど)や秘密を要する地域(戦争地域など)で作業するユーザーは、この機能を無効にすることをお勧めします。
コンパクトな設計と長時間バッテリー
M11-Dのサイズは147.2 x 80.3 x 38.45 mm、重量はバッテリーなしで457g、バッテリー込みで539gです。1,800mAhのリチウムバッテリーで700ショットの撮影が可能です。バッテリーの充電にはUSB-C接続を使用し、約3.5時間で完了します。
価格と購入方法
- 製品名: Leica M11-D
- 発売日: 2023年9月16日(発表日)、2024年9月21日(発売予定)予約販売受付中
- 価格: ¥1,540,000 (税込)
購入方法:
- ライカストアやライカ正規販売店
- ライカ公式オンラインストアで予約販売受付中
- 公式サイト: ライカ公式サイトM11-Dページ
注意: 具体的な販売開始日や各国での正確な価格、購入方法については、最新の情報をライカの公式サイトや正規販売店でご確認ください。地域によって価格や入手可能性が異なる場合があります。
まとめ
ライカM11-Dは、画面パネルのない独自のデザインで、写真撮影の本質に立ち返ることを提案しています。高品質なライカレンズとの互換性、高性能センサー、豊富な撮影設定、大容量ストレージなど、プロフェッショナルな写真家のニーズに応える機能を備えながら、あえて画面を省くことで、撮影に集中できる環境を提供しています。
価格は154万円で、販売開始されています。画面付きのカメラで十分な自信がある方には、ライカM11-Pがおすすめです。また、防塵・防水ボディを求める方には、ライカSL2が適しています。
ライカM11-Dは、最新のデジタル技術と伝統的な撮影スタイルを融合させた、真の写真愛好家のための革新的なカメラと言えるでしょう。ディスプレイを排除することで、写真撮影そのものに集中できる新しい体験を提供し、写真家の創造性をさらに引き出す可能性を秘めています。