国際データ機関（IDC）によると、2024年第3四半期（7月～9月）の世界のPC販売台数は6,890万台でした。これにはデスクトップPC、ノートPC、ワークステーションが含まれますが、タブレットは含まれていません。前年同期比では2.4%の減少となり、特にAppleの落ち込みが目立ちました。
Appleは、2024年第3四半期にわずか530万台のMacを販売するにとどまり、前年同期比で24.2%もの大幅な減少となりました。これは、2023年10月にApple M3搭載のMacBook Proが発売され、2024年10月にはApple M4搭載の新モデルが控えているにもかかわらず、需要が伸び悩んだ結果です。IDCのレポートでは、現在の経済状況を受けて、消費者の需要が低価格帯のPCに向かっていることがAppleの販売不振の要因として挙げられています。一方で、AI関連の需要はまだ顕在化しておらず、IDCのアナリストは、AIを搭載したPCが市場の主流になるのは2026年以降になると予測しています。
Lenovo・HP・Dellが上位を独占、Asusが躍進
2024年第3四半期のPC販売台数で、Lenovoが1,650万台を販売し、シェア24.0%で世界1位を維持しました。2位はHP（1,360万台、シェア19.7%）、3位はDell（980万台、シェア14.3%）と、上位3社が市場を独占する構図に変化はありません。注目すべきは、Asusが前年同期比10%増の販売台数を記録し、550万台（シェア7.9%）でAppleを抜いて4位に浮上したことです。
| 会社名 | 3Q24 出荷台数 (百万台) | 3Q24 市場シェア | 3Q23 出荷台数 (百万台) | 3Q23 市場シェア | 3Q24/3Q23 成長率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1. Lenovo | 16.5 | 24.0% | 16.0 | 22.7% | 3.0% |
| 2. HP Inc. | 13.6 | 19.7% | 13.5 | 19.2% | 0.4% |
| 3. Dell Technologies | 9.8 | 14.3% | 10.3 | 14.5% | -4.0% |
| 4. ASUS* | 5.5 | 7.9% | 5.0 | 7.0% | 10.0% |
| 4. Apple* | 5.3 | 7.8% | 7.0 | 10.0% | -24.2% |
| 5. Acer Group | 4.5 | 6.6% | 4.3 | 6.1% | 4.4% |
| その他 | 13.6 | 19.7% | 14.4 | 20.4% | -5.6% |
| 合計 | 68.8 | 100.0% | 70.5 | 100.0% | -2.4% |
高性能AIチップ搭載のプレミアムPCに注目
Qualcomm Snapdragon X Elite、Intel Lunar Lake、AMDの新型Ryzenを搭載した「Copilot+」対応の高性能PCや、Apple M4を搭載する次期MacBookなどのプレミアムPCが、今後数ヶ月間で市場を活性化させると期待されています。AI関連の需要が本格化するのは2026年以降と予測されていますが、プレミアム層を中心に徐々に拡大していくものと見られます。
まとめ
2024年第3四半期のPC市場は、前年同期比で2.4%減の6,890万台となりました。Appleが24.2%減と大きく落ち込む一方で、Asus・Lenovoは好調を維持。経済状況の影響で低価格帯のPCに需要が集中する中、AI関連の需要はまだ顕在化していませんが、今後はプレミアムPCを中心に市場が活性化すると期待されています。2026年以降は、AIを搭載したPCが市場の主流になると予測されており、PC市場の動向から目が離せません。
