米国のチップメーカーQualcommは、同社のフラグシップSoC(System on a Chip)である「Snapdragon 8 Elite」を正式に発表しました。以前にリークされたプレスイメージから、Qualcommがフラグシップチップセットの名称を変更することが明らかになっていましたが、今回の発表で詳細なスペックが明らかになりました。
Snapdragon 8 Gen 3と比較して最大45%の性能向上
Snapdragon 8 Eliteは、前モデルのSnapdragon 8 Gen 3と比較して、シングルコアおよびマルチコアテストで最大45%の性能向上を達成できるとQualcommは主張しています。
この性能向上は、TSMCの3nm「N3E」アーキテクチャを採用したことによるものです。また、8コアCPUクラスターは、Snapdragon 8 Gen 3と比較して最大44%効率が向上しています。
Adreno 830 GPUは40%の性能向上と電力効率の改善
GPUに関しては、新しいAdreno 830がSnapdragon 8 Gen 3のAdreno 750と比較して40%の性能向上と40%の電力効率の改善を実現しています。Qualcommは、ポータブルゲーミングPCでのゲームセッションが最大2.5時間長くなると述べています。
AI ISPと320MPの静止画撮影に対応
Qualcommは、Spectra ISP(Image Signal Processor)を「AI ISP」に名称変更し、スループットを3.2ギガピクセル/秒から4.3ギガピクセル/秒に向上させました。また、48MP + 48MP + 48MPのマルチセンサーサポートと、30FPSでの108MPシングルカメラサポートを提供します。静止画撮影は、Snapdragon 8 Gen 3の200MPから320MPにアップグレードされています。
まとめ
Qualcommの新しいフラグシップSoC「Snapdragon 8 Elite」は、3nmプロセスの採用により、前モデルと比較して大幅な性能向上と電力効率の改善を実現しています。特にCPUとGPUの性能向上は注目に値します。また、AI ISPの強化と高解像度の静止画撮影サポートにより、スマートフォンのカメラ性能も向上すると期待されます。ASUS、HONOR、Iqoo、OnePlus、OPPO、Realme、Samsung、Vivo、Xiaomiなど多くのスマートフォンメーカーがSnapdragon 8 Eliteを採用する予定であり、今後のフラグシップスマートフォンの登場が楽しみです。