NVIDIAは2025年2月、最新のハイエンドグラフィックスカードGeForce RTX 5090および5070 Tiの一部製品において、ROP(レンダリング・アウトプット・ユニット)の欠損問題が発生していることを正式に認めました。
この問題は、テクニカルメディアTechpowerUPがRTX 5090のレビュー用サンプルを検証中に発見。ZOTACのRTX 5090が他社製品と比較して性能が低いことに気付き、詳細な調査を行った結果、本来176基搭載されているはずのROPが168基しか実装されていないことが判明しました。
NVIDIAの公式発表によると、この製造不具合の影響を受けているのは出荷されたRTX 5090、5090D、5070 Tiの約0.5%(0.5パーセント)とのことです。
性能への影響と対応策
ROPの欠損による性能低下は平均で約4%程度とされています。ゲーミング性能に直接影響する一方で、AI処理や計算作業への影響は限定的とのことです。
NVIDIAは該当製品について、購入者がボードメーカーに連絡することで交換対応を受けられると発表。製造工程の問題はすでに修正されており、新規生産分には同様の不具合は発生しないとしています。
問題の確認方法
ユーザーは GPU-Z というソフトウェアを使用することで、自身の製品が影響を受けているかどうかを確認できます。
- RTX 5090/5090D:ROPが176基未満の場合は影響あり
- RTX 5070 Ti:ROPが96基未満の場合は影響あり
供給状況と懸念事項
現在、RTX 50シリーズは全体的に供給が逼迫しており、交換用の製品確保に時間がかかる可能性が指摘されています。また、発売からまだ日が浅いため、実際にどの程度の製品が影響を受けているのか、正確な把握は困難な状況です。
業界専門家からは、Blackwellアーキテクチャを採用したRTX 50シリーズの発売を急ぎすぎたのではないかという指摘も上がっています。
まとめ
今回の問題は、影響を受ける製品の割合は少ないものの、ハイエンド製品における品質管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。NVIDIAは迅速な対応を表明していますが、実際の交換対応がスムーズに進むかどうかは、供給状況次第となりそうです。
購入者は自身の製品の状態を確認し、必要に応じて交換申請を検討することが推奨されます。また、今後RTX 50シリーズの購入を検討している場合は、製造時期の確認や、実際の性能検証を行うことが賢明かもしれません。
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