2025年6月、NVIDIAの最新フラッグシップGPU「GeForce RTX 5090」の価格動向が大きく変化し、日本市場で初めて40万円を下回る水準に到達しました。海外市場を含めた値下げ傾向や、背景にある需要と供給のバランス、今後の価格推移について詳細に解説します。
日本市場でRTX 5090がついに40万円未満、世界最安水準へ
これまでNVIDIAのハイエンドGPUは、日本では海外よりも高価格で販売される傾向が強く、RTX 5090も例外ではありませんでした。日本での発売当初は最低価格でも45万円を超え、一部ショップでは60万円を超える価格での販売も見受けられました。
しかし2025年6月12日、主要カスタムモデルである「ZOTAC Gaming GeForce RTX 5090 SOLID」と「GAINWARD GeForce RTX 5090 Phantom」が、ついに40万円を下回って販売開始されました。これは一ヶ月前の44万円から約4万円もの大幅な値下げです。一方、同時期の北米(NA)市場では依然として$2,800〜$3,000(¥420,000〜¥450,000)が中心で、日本の方が相対的に安くなっています。

この価格改定は、日本国内の大手通販サイトや実店舗でも確認されています。パーツ価格が世界的にも高いとされる日本で、最新GPUが北米以下の価格になるケースは極めて稀で、注目度が急上昇しています。
北米・欧州のRTX 5090価格推移とその背景
世界的な価格動向にも目を向けると、アメリカやヨーロッパでも値下げが進行しています。北米ではNewegg等で一時的に$2,700〜$2,800(約¥405,000〜¥420,000)のモデルが登場するものの、即売り切れる状況が続いています。一般的な流通価格は未だ$3,000(¥450,000)を中心に推移しており、サプライの安定化によって今後さらなる下落が期待されています。
欧州(EU)については2025年5月に€2,600(約¥429,000)を超えていたのが、6月には€2,400〜€2,500(約¥396,000〜¥413,000)まで下落。日本市場との差は縮まってきたものの、まだ発売時のメーカー想定価格(MSRP、$1,999/¥299,850)からは遠い値付けとなっています。
Apple Pencil Pro
¥20,919 (2025年6月16日 20:32 GMT +09:00 時点 - 詳細はこちら価格および発送可能時期は表示された日付/時刻の時点のものであり、変更される場合があります。本商品の購入においては、購入の時点で当該の Amazon サイトに表示されている価格および発送可能時期の情報が適用されます。)このようなグローバルな値下げ傾向の背景には、次のような要因が推測されます。
- 生産供給の正常化:RTX 5090Dが中国市場向けに転用されたことによる需要減退
- 競合製品の存在:AMDなど他メーカーによる新型GPUの発表や値下げ圧力
- 仮想通貨需要の落ち着き:2021〜22年を牽引した仮想通貨バブルの収束
- 為替相場の安定:円安・ドル高の進行が一服し、価格調整が進みやすくなった
なぜ日本だけ安くなったのか?他国との価格の違い
2025年6月時点で日本が最安クラスの市場となった要因について解説します。
- 流通在庫の安定と追加供給
4月以降、国内流通網に対する供給量が大幅増加し、Amazonや大手量販店でも安定して在庫が確保されるようになりました。特に中国市場が輸出規制や特需終了で一段落したことが、日本向け在庫に回る余剰を生み、価格競争が激化したと見られます。 - 円安による相対的価格差
一時は1ドル=\155を超えていた為替相場も、このタイミングで\150程度まで円高方向に振れたため、実質的な輸入コストが下がりました。その結果、為替に連動する形で販売価格が調整されています。 - 店頭実売価格の実験的値付け
ネット通販を中心に、「ポータブルゲーミングPC」「ノートPC」など完成品モデルとの価格競争も進行。ハイエンドGPUとしての需要喚起・話題性を狙い、一時的に攻めの値付けがなされた可能性も高いです。また、国内中古市場の活性化も新製品価格に影響を与えていると考えられます。
これからの価格動向と買い時は?今RTX 5090を買うべきか
記事執筆時点でも依然として希望小売価格($1,999/約¥299,850)からは大きく乖離しています。特にNVIDIAのフラッグシップGPUは、発売から半年ほどは高値安定が続く傾向にあるため、今後もさらに値下げが進行する可能性は十分にあります。
有力な海外メディアでも「$2,500(¥375,000)以下になって初めてコストパフォーマンスに優れる」と評価されており、まだ買い控えを推奨する声が多数です。PCIe 5.0や新型CPUとの組み合わせも本格普及はこれから。GPU単体での性能は頭抜けているものの、多くのゲーマーやクリエイターにとって現在の$2,800(¥420,000)オーバーは手が出しづらい水準といえるでしょう。
しかも、AIやマシンラーニングの研究・生成系用途でのみ真価を発揮するという声も増え、高リフレッシュレートのゲーミングや4K動画編集以外では性能を持て余す可能性も指摘されています。
RTX 5090の価格動向 まとめ
GeForce RTX 5090は2025年6月、ついに日本市場で40万円($2,800)を下回る水準まで下落しました。これはグローバルな供給改善と為替変動、競合各社の動き、流通在庫の変化など、複合的な要因が影響しています。
とはいえ、依然としてMSRP($1,999/¥299,850)から大きく離れており、値下がりトレンドはまだ続きそうです。すぐに買いたい方を除けば、今しばらく様子見し、¥375,000($2,500)近辺へのさらなる下落を待つのが賢明でしょう。性能的にも、ハイエンドゲーマー・クリエイター・AI研究者向けの「飽和ゾーン」に到達したモデルとなっているため、その用途価値を十分に吟味してからの購入検討をおすすめします。
【まとめ】
- RTX 5090が日本で初めて40万円($2,800)割れを記録し、世界的にも価格の下落が続いています。
- 北米や欧州より一時的に日本の方が安価な状態となり、特にAmazon.co.jpなどでは品薄も発生中です。
- サプライチェーン改善、為替の安定、需要の一巡が要因となり、今後さらなる値下げの期待が持てます。
- 現時点ではまだ発売時価格より大幅に高く、$2,500(¥375,000)以下になるまで「買い時」は保留が賢明です。
- 超高性能を求めるゲーマー・プロクリエイター・AI用途向けでなければ、型落ちや次世代モデルも今後の選択肢となる可能性があります。
最新GPUを賢く手に入れるために、引き続き市場動向を見極めていきましょう。