ホームテクノロジーパソコンパーツ苦境のインテル復活プランを模索中:独工場建設計画の凍結も視野に

苦境のインテル復活プランを模索中:独工場建設計画の凍結も視野に

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インテルが大きな岐路に立たされています。かつての半導体の巨人が、今や時価総額が1000億ドル(14.5兆円)を割り込む事態に。一方でNVIDIAは、約2.93兆ドル(425兆円)となっており、世界で3番目に価値のある企業となっています

インテルでは、9月に予定される重要な取締役会で、同社の再建策が話し合われる見通しです。今回は、その再建策の詳細と背景、そして今後の展望についてお伝えします。

主要な復活プラン

先週の金曜日に、ブルームバーグがインテルの取締役会議に向けて数々の戦略的オプションを検討していることを報じました。ウォール街の大手、モルガン・スタンレーを含む金融アドバイザーと連携し、企業の将来像を描いているようです。同時に、投資家からの高い注目を受けている中、アドバイザーたちはインテルを支援しています。

アルテラ売却の可能性浮上

ロイター通信の報道によると、インテルは FPGA(書き換え可能な集積回路)部門であるアルテラ(Altera)の売却を検討しているとのことです。2015年に167億ドル(約2.4兆円)で買収したアルテラですが、現在の収益性が運営を維持するには不十分だとされています。

この動きは、インテルが中核事業に集中し、収益性を改善させようとする戦略の一環と見られます。アルテラの売却は、同社の財務状況を改善し、より収益性の高い分野に資源を集中させる狙いがあると考えられます。

独工場建設計画の凍結も視野に

さらに、ドイツに計画されている300億ドル(約4.35兆円)規模の新工場建設計画の凍結も検討されているようです。これは、インテルが既に発表している2025年の設備投資を17%削減し、215億ドル(約3.1兆円)にする計画と一致します。

この動きは、インテルが短期的な財務改善を図りつつ、長期的な競争力維持のバランスを取ろうとしていることを示しています。しかし、欧州での生産能力拡大を期待していた関係者からは懸念の声も上がっています。

半導体製造事業は維持の方針

一方で、ロイター通信は、インテルが半導体製造事業の売却を提案する予定はないと報じています。これは、同社がアメリカでの製造拠点拡大のために数十億ドル規模の連邦資金を受け取っていることが背景にあると考えられます。

インテルは現在、ファウンドリー(半導体受託製造)部門の拡大に注力しており、2025年末までに80億ドル(約1.16兆円)から100億ドル(約1.45兆円)のコスト削減を見込んでいます。これにより、2030年までに非GAAP粗利益率を約60%、非GAAP営業利益率を約40%に引き上げることを目指しています。

取締役会メンバーの辞任と内部の課題

こうした中、インテルの著名な取締役会メンバーであるリップ・ブー・タン氏が辞任しました。タン氏は、インテルの受託製造事業をより顧客中心にすること、そしてデスクトップやサーバー部門でのイノベーションを妨げている中間管理職の削減を提案していましたが、これらの提案が受け入れられなかったことが辞任の理由とされています。

この辞任は、インテル内部の改革の難しさを示唆しており、今後の再建に向けた課題の一つとなりそうです。

まとめ:インテルの再建への道のり

インテルは現在、重大な岐路に立たされています。アルテラの売却や独工場建設計画の凍結など、大胆な再建策が検討されていますが、同時に半導体製造事業は維持する方針です。これらの戦略が功を奏し、かつての栄光を取り戻せるかどうかは、今後の展開次第です。

9月の取締役会での決定が、インテルの将来を大きく左右することは間違いありません。半導体業界の巨人の復活劇となるのか、それとも更なる苦境に陥るのか。業界関係者だけでなく、多くの投資家たちも固唾を呑んで見守っています。インテルの再建への道のりは、まだ始まったばかりと言えるでしょう。

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