Intel LGA 1700プラットフォームは、2021年に登場し、Alder Lake(第12世代)、Raptor Lake(第13世代)、Raptor Lake Refresh(第14世代)の3世代のCPUをサポートしてきました。また、Z690を最上位SKUとする600シリーズ、そして第14世代向けのマイナーリフレッシュを含むZ790チップセットを最上位とする700シリーズの2世代のマザーボードが登場しました。
現在、Intelは次世代の800シリーズチップセットを発表し、Core Ultra 200S CPUシリーズとともに、LGA 1851と呼ばれる新しいソケットも導入しています。今回は、Z890チップセットを搭載した最新のマザーボードを見ていきましょう。
今回のレビューでは、MSIの最新マザーボード「MPG Z890 EDGE TI WIFI」を取り上げます。価格は$369(約53,505円)です。
Intel LGA 1851プラットフォームの特徴
Arrow Lake lineup向けに、Intelは新しいソケットLGA 1851を導入し、3年以上続いたLGA 1700シリーズに終止符を打ちます。新しい800シリーズチップセットには複数のSKUが存在しますが、今回取り上げるのは最上位のZ890です。
このプラットフォームは、CPUとPCHの両方から供給される合計48レーンのPCIeレーンを提供し、そのうち20レーンはPCIe Gen 5.0です。Z890 PCHは最大24レーンのPCIe 4.0、最大4つのeSPI、最大10個のUSB 3.2ポート(5つの20G、10つの10G、10つの5Gオプションを含む)、最大14個のUSB 2.0リンク、最大8個のSATA IIIリンクをサポートしています。
新しいプラットフォームは、Thunderbolt 4、Intel Killer Wi-Fi 6E (Gig+)、Bluetooth 5.3 (LE)、1 GbEなどの統合I/Oや、Thunderbolt 5、Intel Killer Wi-Fi 7 (5 Gig)、Bluetooth 5.4 (LE)、2.5 GbEなどの個別I/Oをサポートし、さらに充実した機能を備えています。
メモリーサポートに関しては、新しいZ890マザーボードはDDR5-6400(ネイティブ)の能力を提供し、XMPを使用して8000 MT/s以上の拡張速度をサポートします。このプラットフォームは、デュアルチャンネルモードで最大48 GBのDIMMをサポートし、UDIMM、CUDIMM、SODIMM、CSODIMMの各フレーバーで最大192 GBの容量をサポートします。
オーバークロッカーのための新機能
オーバークロッカーにとって嬉しいのは、微調整が可能な新機能の数々です。グラニュラーコアクロック、デュアルベースクロック、Tile-to-Tile & ファブリックOC、DLVR bypass、Intel eXtreme tuning utilityの新機能、メモリーオーバークロック、P & E-coreオーバークロック、低温時のオーバーボルト機能などが追加されています。
また、チップの動作温度が低いほどオーバークロックのヘッドルームが高くなります。Arrow Lake-S “Core Ultra 200S”のTJmaxは105℃となっています。
LGA 1851ソケットとのクーラー互換性
Intel LGA 1851ソケットは、LGA 1700ソケット対応のクーラーと互換性がありますが、適切な熱負荷バランスを確保するために、オフセットキットが必要な場合があります。新しいソケットには、RL-ILMと呼ばれる改良版のILMが採用され、ロード機構の間にスペーサーを使用して、新しいArrow Lake CPUに適切な圧力がかかるようになっています。
価格と購入方法
- 製品名: MSI MPG Z890 EDGE TI WIFI
- 公式サイト: MSI MPG Z890 EDGE TI WIFI
- 価格: ¥69,677 税込
- 購入方法: Amazonなど
まとめ
MSI MPG Z890 EDGE TI WIFIマザーボードは、Intel Core Ultra 200S CPUシリーズ向けの新しいLGA 1851ソケットに対応し、Z890チップセットの強力な機能を備えています。特にオーバークロッカーにとって魅力的な新機能が数多く追加され、メモリーや個別のコアごとの細かな調整が可能になりました。LGA 1700ソケット対応のクーラーとの互換性もあり、適切なオフセットキットを使用すれば問題なく使用できます。最新のPCIeやUSB、Thunderboltのサポートを求めるユーザーや、オーバークロックに挑戦したいユーザーにとって、このマザーボードは優れた選択肢の一つといえるでしょう。