Intelはついに待望の次世代Arc B580とB570「Battlemage」GPUを発表しました。これらは$249(¥37,350)と$219(¥32,850)という手頃な価格設定で、主流のゲーマーたちに向けた製品となります。Intelが初めて独自のディスクリートグラフィックスカードラインナップを発表してから2年。今回は第2世代となるディスクリート・グラフィックスラインをXe2アーキテクチャを基にしたBattlemage Bシリーズとしてお披露目します。
このシリーズでは、BMG-G21 SoCが登場し、主に1440p/1080pのゲーミングセグメントをターゲットにしています。Xe2アーキテクチャは、先行するLunar Lake SoCから取り入れた技術を生かし、初めて本格的に性能を発揮します。
Xe2アーキテクチャとBMG-G21 SoCの詳細
新しいXe2ベースのBMG-G21 SoCは、最大で20のXe2コアを持ちます。それぞれのXe2コアには8つの512ビットベクトルエンジン、8つの2048ビットXMXエンジン、64b原子操作対応、そして改良された256KBのL1$/SLMキャッシュが含まれています。さらに、専用RT(レイトレーシング)ユニットも統合されています。
このSoCは272平方ミリメートル(mm2)で、合計19.6億個のトランジスタを搭載し、先代のAlchemist ACM-G10ダイより33%小さく仕上がっています。TSMCの5nm(ナノメートル)プロセスで製造され、効率的なパフォーマンスを実現しています。
Arc B580とB570の性能と注目ポイント
Intel Arc B580とB570は、BMG-G21 SoCをベースにした2つの異なる仕様を持つモデルです。両モデルとも、最新のHWアクセラレーションエンジンに対応しています。AV1、HEVC、AVC、VP9、XAVC-Hを含む多岐にわたるフォーマットをサポートし、3つのDP2.1(UHBR13.5)と1つのHDMI 2.1出力を備えています。
Intel Arc B580は、20のXe2コアと5つのレンダースライスを持ち、160のXMX AIエンジンを搭載。クロックスピードは最大2670 MHzで、12 GBのGDDR6メモリが192ビットのインターフェースで動作し、ピーク時には456 GB/sの帯域幅を誇ります。
一方、Intel Arc B570は18のXe2コアを持ち、クロックスピードは2500 MHz。10 GBのGDDR6メモリを160ビットのインターフェースで用い、ピーク帯域幅は380 GB/sとなっています。
パフォーマンスでの優位性
Intel Arc B580は、競合するNVIDIAのGeForce RTX 4060より10%高速で、24%の性能向上を実現しています。また、特にレイトレーシングパフォーマンスにおいて、他社よりも優れた結果を見せています。32%という高いラスター化性能をライバル製品に対してより低価格で提供する点も特徴です。
大容量のVRAMが、特に1440pの高解像度におけるゲームプレイを支え、細かなテクスチャやレイトレーシングの高品質設定でのパフォーマンスを向上させます。これにより、今までの製品で不足していたVRAMを補完し、\37,350以下の価格帯で高性能なゲーミング体験を可能にします。
販売開始とモデルの選択肢
Intel Arc B580は12月13日から\37,350で販売開始となり、限定版も含めた多様な選択肢が用意されています。Intel Arc B570は2025年1月16日から\32,850で販売され、カスタムモデルが多数登場予定です。新しい冷却機構とシャーシデザインを備えた「Battlemage」限定版は、デュアルスロットとデュアルファンフォームファクターを採用し、静音動作と3 GHz以上のオーバークロックにも対応しています。
まとめ
Intelの新「Battlemage」GPUシリーズは、アドバンスドなXe2アーキテクチャを基にして、ゲーミング市場における新たなスタンダードを築くモデルです。お手頃価格でありながら、高性能を誇るこのGPUたちは、多くのゲーマーにとって魅力的な選択肢となるでしょう。性能、価格、そして使い勝手のバランスが取れたこの製品により、より多くのゲーマーが新しい体験を楽しむことができそうです。
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